陳情令(ドラマ感想)

ストーリーというよりドラマそのものについての感想です。断っておきますが、わたしは日本のドラマはあんまりみてないので比較できないですーー。普段見ているのは舞台だったり映画だったりで、意外に特撮物は好きだったり。その視点から好き勝手に…。

基本的にネタバレありです! というか一切気を使ってないので満載です。ネタバレNGの方は閉じてください!><

ドラマについて

主人公二人はこのドラマでブレイクしたらしいですね、まだ若いし、びっくり。とにかくイケメン二人。この二人が出演したからこそこのドラマはここまで成功したといっても過言じゃないと思います。演技が上手だなぁでもアクションの体の使い方はまだまだかなぁ、と思いながらみていたのですが、まさか出世作ドラマとは! そこにびっくりです。

演技が上手、と思った理由の一つ、セリフまわしについては、実は声優さんの吹き替えだったらしく、そこも別の意味でびっくりしました。なんでも中国は俳優さんとは別の方があとで声をあてることが多いらしいんですね。そりゃセリフ回し上手だわ。

ただこのドラマって細かい伏線が異様に多いんですね(感情を伝える伏線もあるし、物語のキーにつながる伏線もあったりします)。それが視線やしぐさ、そんな重要じゃないと思ったモブ(そのほか大勢の画面後ろにいる人たちですね)に、実は細かい伏線が示されていたりするので、これを伝える演技はすごく重要な要素なのです。特に藍湛はあんまり言葉で説明したり感情をあらわにしないという性格設定なので、それ以上の感情を伝えるための細やかな演技は必須です。演技指導が入ってるのだろうし、あと本人たちがいい意味できれいな顔なので表情や目線が伝えやすいというのもあると思うのですが、この繊細な演出もドラマヒットの1要因だろうなぁ、と思います。

あとは仙術を使うので印を結ぶシーンがたくさんあるのですが、ワイヤを使ったアクションに比べると、そういうときの体や指の使い方が素敵です。本業は歌手の方だと思うのですが普段から自分を恰好よく見せるしぐさを研究しているのでしょうね。(殺陣的なアクションはもう少し腰がぶれてないといいなぁ思うところは多少…(若いですからこれから!))。

そしてドラマは字幕をみているのですが、字幕が意外に早い! です。普段使わないような漢字で成り立つ熟語が山ほど出てくるので、意味を推察するまで微妙に時間がかかります(例えば戒鞭とか。普段使わないから一瞬考えちゃうんですよね)。字幕についていけなかったり、字幕を読みすぎてキャラクタのほうがみれてなかったりするので、地味に何度か巻き戻して確認してました。ただ慣れてくると漢字文化万歳。漢字で伝わるものがけっこうあります。四大宗氏についても、江氏は入江のイメージがあったら湖のほとりに住んでいたり、藍氏は青系の服を着ていたり、温氏は赤だったり、金氏は金持ちの一族だったり、色と名前が結びついていくので見分けがしやすくなったりします。欧うんちゃら氏の息子の役者さんが、多分ハーフと思われる方には少し感動。「欧」の漢字は欧米的な意味が、中国にもあるんでしょうか。そして漢字ならではに密かに感動したところ。途中で魏嬰が「なぜ俺にこんなにしてくれるのか?」と聞いたのに対して藍湛が「悔いがある」と答えるのです。中国語で確認したら「有悔」というらしいのですが、長く説明するよりこの一言で伝えられるって中国語って奥深いなぁと思いました。この漢字を見ると、この裏にいろいろな感情を感じてしまうのはファンだからこそ…!? 漢字万歳。

CGがんばれ

CGはもうちょっとと思うところがありますねぇ(汗。でもよく考えたら日本の子供向け特撮よりかはよっぽど予算さいているし、大人向けのドラマでアクションがあってCGが、と思うとちょっと、と思うけれど、中国のCG技術の進化はすごいらしいです。これは2019年配信だから撮影は2018年ころ? 3年もするとだいぶ変わりそうだから今後にも期待です! 

ちなみにワイヤアクションもちょっとと思うけれど、これは慣れと俳優さんの力量のところもあるかもですね。

いろいろ調べてみると、中国のドラマは、先に一気に全部とっちゃってから、声優さんが声をあてて、編集して公開という流れらしいですね。出来上がってからも配信時期が決まってなかったりするということにびっくり。日本だったら最初に公開予定が決まってて、放送している最中にも撮影していたりするのだけど、先に全部とっちゃうんですね。どうりでOPの歌のバックに使われている画像が最終話だったりするわけです。あれ、単に日本で放映したときには終わってたからなのかしら。

で、ふと考えてみると日本のドラマでファンタジーってあんまりありませんねぇ。なんでだろう。いい原作がないのか、日本語でファンタジーは受けないのか。

アクションだからなのかもしれないですが、カメラワークは格好いいです。アクションシーンも、動いている俳優の周りをカメラがまわっていったり、ちょっと武器の表現が冗長だと思うところもありますが、でもアクションならではのカメラワークはかなり見ごたえがあります。

陳情令ドラマ

Posted by はじめ