陳情令-キャラ考察・感想

各キャラの感想や考察です。各キャラの行動について思ったことをるると書き連ねています。

基本的にネタバレありです! というか一切気を使ってないので満載です。ネタバレNGの方は閉じてください!><

キャラの考察と感想

藍湛(ラン・ジャン)

とにかくね、彼が一番つらい。「」の一字の役回りですね。この物語は、魏嬰中心だからあれですけど、藍湛のViewからみると、本当辛い小説になると心底思います。

目の前で友人が破滅の道にいくのをみていて止められないわけですから、もう本当きついですよね。

最初は天衣無縫で快活だった友人が、いろんなことがあるうちにだんだん暗くなって、挙句自滅する直前は泣き笑いの表情で「何がやっても俺が悪いのか!」って叫ぶのは、叫ぶほうもつらいけど、自分の気にかけている人が傷ついているのをみるのはもっとつらい、まじでつらいと思う。本当にそういう藍湛の気持ちにもう少し魏嬰くん寄り添ってほしいと思います。君は一人じゃないんだぞー!

涙ポイント:

16年間、戦あるところには藍湛ありといわれたほどに、飛び回って死んだといわれている魏嬰が、もしかしたら生きているかもと探していた藍湛。生死不明の状態なので、探し回っていても見つかるとは限らないわけですよ。それでも探すしかなくて、十六年間探して、やっと笛を吹く、おそらく魏嬰と思われる者に遭遇たときどんなにうれしかったことか。笛を吹く腕をつかむわけですが、見つけた瞬間の藍湛の感無量、歓喜を想像すると切なくなります。ほんと万感の思いを込めて腕をつかんでいたと思うのですが、でも全然表情は変わらない藍湛のポーカーフェイスぶりがまた素敵です。

涙ポイント:

金丹を持たない魏嬰が剣を持たなくなったけど、理由がわからない。周りはそれにどんどん不信感を持つ。なんとかしてとめたいし、悪霊を扱うのは彼の精神にも悪影響があるから何度も忠告するけど伝わらない、と思っていたところに、46話で初めて、藍湛はなぜ魏嬰が剣を持たなかったか知るわけですが、そりゃーーー想像もしてなかった衝撃の事実。しかもすごかったのはそんな事情を一言もいわなかった魏嬰くん。事情もわからない外野に剣を持てといわれるくらいなら流せるかもしれないですが、自分のことを心配している人や当方人の江澄にもしつこくいわれたら、ついうるさい! っていっちゃいそうだけど、そこはぜったいいわない。一度いわないと決めたら、どんなに自分が辛くてもきちんと守り切るところも個人的には涙ポイントでした。「違うんだよ! 藍湛! 魏嬰は持ちたくても持てないんだよ! 魏嬰、いっそいっちゃいなよYou!」と何度テレビに叫んだことか。

ただここで解釈がうまくできなかったところが藍湛の涙です。彼は金丹のくだりを温寧から聞いた後、気絶した魏嬰を抱きながら明らかに涙を流しているわけですが、この涙は自分がその彼の事情を過去理解していなかったことに対する懺悔なのか。そうやって自分を犠牲にした結果人々のそしりをうけた魏嬰にたいしての愛情の涙なのか、そんな事情があるのがわかってたらまた別の守り方もできたのにという後悔の涙なのか。その辺の感情の解釈がいまいちできず…。まぁ衝撃とか万感で、感情の解釈は不要なのかもですが、この涙の解釈を誰か教えてください!

涙ポイント:

第26話で、温氏とともに出ていこうとする魏嬰をとめにきた藍湛。魏嬰は自分の義である「弱きをたすけ」に忠実であろうとするわけですが、藍湛としてはそれを実行したら彼はこの後もっと世間から憎まれて後ろ指さされる、もっとつらいことになるのがわかっているからなんとしてもとめたい。でもとめて自分の義を貫けなければ魏嬰がもっと苦しむだろうということがわかるから、どうしようもなくて身を引くわけですが、このとき見送る心情を考えるとほんと切ないです。見ながら号泣でした。途中で藍湛がお兄さんに「ある人を雲深不知所に連れてきて、隠しておきたい」っていったのも、彼が何をしても人々のそしりと憎しみを受けるだけなら、いっそ人目に触れないところに隠しておきたい傷つけないようにという思いの結果の言葉なんでしょうね、きっと。でもそれを彼は喜ばないだろうから実行にはうつさないわけですが、その経緯をもどかしくみつめていた彼の気持ちを思うと切ないです。
そしてさらに 藍湛がここで道理をといて止めなかった理由に、完全なわたしの妄想ではあるのですが、思うことを追加です。 藍湛は「ここでいけば本当に皆の敵とみなされる」と 魏嬰に道理を説くこともできると思うんですよ。さらに「自分が行かないでほしいと思っている」と訴えることもできる。でもそれは 魏嬰からすると、義を通したいという思いを曲げて止める材料にならないし、さらに藍湛が自分を心配している、止めたいと思っていることをはっきりと知ることになって、なおさら悩む、後ろ髪をひかれることになるんだと思うんですよね。だから、どうせ結果が変わらないで余計な煩悶を 魏嬰に与えるくらいなら、藍湛はその葛藤をすべて自分で背負い込む覚悟をしたんだろうと思いました。切なすぎる…。

涙ポイント:

魏嬰が死んだあと、藍湛は死ぬほど後悔して、だからこそ次は絶対に何があっても彼の味方でいようと決めたんだろうなぁ、と。なのでそのあとは誰が彼に何を言っても、攻撃しても、常にナイトのように守っている藍湛が素敵でした。というか、これがあったから後半はそこまでつらくならずにみれた。藍湛すごいぞ!

魏嬰(ウェイ・イン)

彼はなぁ、本当にまっすぐっていうか、とにかく目の前にある弱いもの、正しいものに対してまっすぐという性格。だからこそ、いろいろ理不尽なことをみると行動せざるを得ない性分なんだろう、と。でも自分は間違ったことはいってないはずなのに、自分は悪いことをしていないのに、なぜみんな俺のせいにするんだ? 俺がそんなに悪いのか? となる中盤あたりはどんどん暗くなっていくのをみるのがほんと見るのが辛かったです。

ただ、なんだろうなぁ、例えば彼を攻撃していた人の中で、とにかく自己憐憫が強い人、自己中心で本当にずるかった人、ことなかれ主義の人もいるのだろうけど、中には自分の弱さを直面できない人や、そんなに精神的に強くない人もいたんだろうなと思います。で、そんな人たちは魏嬰くんが正しくいえばいうほど、自分弱さを見せつけられて責任転嫁の意味でかえって魏嬰くんを悪者にしただろうなぁ、とか、そこまで思うのはうがちすぎかなぁと思いつつそんなことをぼんやり思ってました。そういう人が魏嬰みたいな正論を言う強いタイプにあったときの反応は責任転嫁をするか、憧れるか、距離を置くかの3パターンくらいなんですよね。魏嬰君がもっとそういう人たちをわかってくれるといいなと思ってました。

そして途中でお兄さんがいってましたが、「義を通せば、周りで君を思う人にも影響がある」っていうのもある側面だと思ってて、別に周りの人はその心配を彼に知ってもらってそのせいで足かせになりたいとは思わなかったとは思うけど、もっと周りに自分のことを気遣ってくれる人がいるっていうのは気づいてくれてもよかったと思うのです。でも人間そんなものだよな、自分に対する好意には気が付かないものだよな、と思うのですが、周りに自分のことを心配してくれている人がいるというのを16年前の彼がもっと実感してたら、少しは苦しみが減ってたのかなと思いました。

そしてですね途中で自制が聞かなくて余計なこといったり、というのは正論というより負けず嫌いだよね!? それはもっと制御したほうがいいよ…!とはらはらしました。いくらまっすぐの性格ですぐ熱くなっていっちゃうとしても、いっていいことと悪いことあるから! と。(会社にいる問題児とかちょっと思いだしたりして)

江厭離

彼女はすごい好き。ドラマだと本当に最後から最後まで性格がいい。あんまり掘り下げる要素がなくてあれなのですが、個人的に大好きなキャラでした。あえていうとしたら、戦場にのこのこでてこないでよーと思うけど、大事な弟(魏嬰)がひどい目にあってないか、人目あえないか心配で出てきたんだろうけど、彼女が出てきたことがその後の悲劇に続くんだよなぁ、と思うと、ちょっと残念。そして旦那さんのことを実は結構気になってたのは意外でした。最後は残念だったけど、旦那(金子軒ジン・ズーシュェン)さんと結婚できて一緒に暮らしてたときにすごく大事にされてたのは癒しでした。

江澄

藍湛が一番つらかった人だとすると、江澄は一番かわいそうな人、というのがわたしの感想です。

彼はすべてを失っているんですよね。温氏が攻めてきたときに大半の門下生が殺されて、再建したとはいえ生まれ育った花亭も破壊され、父と母は殺され、そしてとどめはとても大事だった姉が死ぬ。そりゃもー彼は全部を失っているわけです。そしてまた魏嬰も、彼視点だと喪失の対象なんだろうと思っています。

一緒に育って、魏嬰は「お前が宗主になったら俺は部下だ。お前を一生ささえていく」って約束しているわけですよ。ところが彼はあっさり宿敵であるはずの温氏を守るために出て行ってしまう。なぜ自分じゃなくてそっちなんだ!? っていうのが彼の本心なんでしょう。

魏嬰はみなしごだから育ててもらった恩があるけれど基本的には氏にそこまで属しておらず背負うものがないんでしょうね。それに対して江澄は違う。一族を背負っていかなければならない重責があります。そして魏嬰の義は「弱気をたすけ悪きをくじく」という自分の心情に対してどこまでも忠実なのに比べて、江澄の義は江家に対してのもの。魏嬰も同じだと思っていたのに、あっさりと家にたいする義ではなく自分に忠実に義を通す、別にどっちがいいとか悪いとかではないですが、当たり前のように家だと思っていたのにいざとなったら信頼してた兄貴分は違うものを選んだのだから、そりゃかわいさ余って憎さ百倍にもなるだろうと。

しかも温氏亡きあとも、自分と一緒にいる、支えていくといっていた兄貴分(魏嬰)が、別の家(藍家)の者と行動を共にしているのだから、そりゃ悔しさいっそうですよね。

そして姉が魏嬰に殺されたとずっと恨んでいた16年間。そしてことあるごとにお前のせいだと責め立てることで心の均等を保っていたのに、実はそのいらだちをぶつけていた相手(魏嬰)は一番大事なもの(金丹)を自分に譲っていたせいで、人びとからそしりを受けてあざけりを受けていたという事実がわかる。なのに自分はそれを知らず、恩知らずにも彼に辛くあたっていた、というのは衝撃の事実だったのだろうと、そのときの心情を思うと心が痛みます。「俺は道化だったのか!」というセリフが端的に彼の心情を表していますよね。事情を知っている者から見れば、自分はどんなに滑稽で恩知らずなことをしていたのか、と自分のその姿を気付かされるのは辛い。だけどね、そんなときに誰も知らなければ自分は知らなかったのだから、とか自分自身もごまかして言い訳する人も多いのですよ。だって自分に言い訳できれば楽だもん。でも誰も知らなくても自分だけはそれを知ってるのだよね。自分に恥じないように生きている彼だからこそ「俺は道化だったのか」といえるのだと思ってます。そしてさらに江澄のすごいことはその自分の弱さを認めること! 普通ね、自分がそんな立場にあったら責任転嫁して相手を悪者にしますよ! それを自分が悪かったこと、弱かったところを認めて相手とわだかまりを解くというのはよほど強くなければできません。ほんと江澄えらい! 自分の過ちを認められることも立派な主の条件です! 君はいい宗主だよ!(まあ、止めずに別々になるわけですが)

がんじがらめだけど、それが彼の生まれで性分で生き方だからしょうがないと思いつつ、本当に心の底から江澄は素敵な奥さんをもらってこどもを作ってほしいと思います! だれか素敵なお嫁さんきて! 江澄はほんといいお嫁さんができて跡取りができて、氏としての務めを果たせたら本当に幸せになれる人だと思うので! 妄想の中では彼はお嫁さんをもらって幸せになっています。

なんかどこかで読んだのですが(出典思いだしたら追記します)、「君子は一度いったことを簡単には翻さない。その代りそれをいさめる相手をそばに置くこと」みたいな。君主論だったかなぁ、いやー欧米系じゃなかった気がする。孟子とか中国のどなたかです。で、江澄はまさにそれだと思っていて、 魏嬰がずっとその役をやっていたんでしょうねぇ。そして 魏嬰がいない今は、江澄は代わりにそれができる誰か腹心、奥さんでもいいし、おいていけば、いいフォーメーションで宗主になれると思うのです。がんばれ、江澄!(2021/10/06追記)

怒涛のままに主要キャラをまず書きましたが、それ以外にも書きたい人たくさん出かけてない人たくさんなのでまた追記します。

陳情令ドラマ

Posted by はじめ